カーボンナノチューブという言葉を、ニュースの中で聞くことが増えてきている。その物理特性が新素材として、いろいろな分野で研究されているからこそだろう。しかし、よくよく考えると、これも極微細粒子であり、カーボンナノチューブに近いものとしては、カーボンナノウィスラーだったか刺状の極微細粒子もあったりで、その形状はアスベストに似ている。
そのことを、カーボンナノチューブの発見や量産化をリードしている信州大工学部の遠藤守信教授と名城大理工学部の飯島澄男教授らが、安全性についても検証する必要があると言ったみたいだ。あれだけ話題になり、健康被害が深刻化しているアスベストに形状が似ているとなると、カーボンナノチューブの安全性が気になって当たり前だろう。
検証が進めば、何か見えてくることもあるだろう。安全かもしれないし、危険かもしれない。もしかすると、アスベスト以上に危険かもしれない。研究時の被曝ということもあるので、研究者自身も積極的に安全検証をする試みをすべきだろう。
さて、バラ色の未来には、刺があるだろうか?