INTERNET Watch(記事リンク) ファイル交換ソフトの利用者をアンケートで調べたところ、前回の2006年9月が3.5%だったのに、今回の2007年9月は3倍近い数字、9.6%と激増してたそうだ。この数字、はたして事実を示しているのだろうか。
利用されているソフトの種類は、「Winny」27.0%、「Limewire」18.8%、「WinMX」15.0%、「Cabos」13.1%、「Share」11.0%の順と出ているんだけど、この数字を見ると、3倍近い増加は別の理由としか思えないんだよね。なぜなら、新たに増えた人が何を使っているのかという問題があるから。
この1年で話題になったのは、「Winny」と「Share」ぐらいだと思うんだよね。そして、話題になって知った人が使い始めたと考えるのが普通だと思うわけ。となると、3倍近く増えたわけだから、増えた60%が「Winny」と「Share」の利用者と予想できると思うわけ。
でも、発表された「Winny」と「Share」のシェアの合計は、たった38%ほど。もともと利用していた人もいるはずだから、増えた率も含めると、70%ぐらいあっても不思議じゃないと思うんだよね。
でも、半分ほどの38%。ならどう判断するべきか。
コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、日本レコード協会(RIAJ)、日本国際映画著作権協会(JIMCA)が、何らかの捏造をしているという可能性。例えば、最近の話題の1つである違法ファイルのダウンロードも違法にしようという動き。これを妥当なものとするために、捏造した数字を発表しているという考え方。
もう1つは、捏造ではないけど、事実を隠蔽して数字を発表しているという可能性。まあ、やはり先と同じ理由だろうけどね。
あとは、母数となっている調査対象が違っていたり、調査方法が変わってたりすれば、調査結果が変わるというのもあるはず。例えば、前回はアンケート対象がすごく一般的なコミュニティで行われ、今回はインターネット利用年月が長い人が集まっているコミュニティで行われたりすると、やはり結果が変わってきても不思議じゃないはず。
どんな理由で結果の変化が生まれたのかは、正確な情報がないままだと分からないことが多いけど、言えることはただ1つで、利用者数激増という結論は、かなり作られた答えだと言えると思うんだよね。
それよりむしろ、気になるのは発表の中であった違法ファイルの率。どうも「Winny」で流通している違法ファイルは、全体の51.4%と推定されたとか。確かに半分以上ではあるけど、別の見方をすると半分程度しかなく、残りの半分程度は違法ではないファイルと推定されているわけだよね。
健全な使われ方も模索されていると考えると、今回の違法ファイルのダウンロード違法化の流れにおいて、「Winny」の利用というのは情を知ってとなるのだろうか。