2005年02月10日

アウトロー見聞録 第三回(寄稿:前原龍彦)

 刃物に気をつけろ!


 さて、前原は実は、ここのところ私服保安員をやっている。

 災害時の誘導に、救急時の救助と仕事は色々あるが、その実、多くの仕事は一点に集中している。

 万引き犯の逮捕。

 それだ。いわば万引きGメンなどといわれてる奴だ。

 余談ではあるが、このGメンって言葉、元はFBIを差してガバメント・メンの略。「政府の人たち」って意味なので、「万引きGメン」なんてのはおかしな言葉だ。まぁ、万引きハンターあたりで呼んでくれるとありがたい。

 現場は毎日変わるんだが、おおむねホームセンターなんかが多い。

 で、その現場で取られるのは大体、職人が使うナットやボルト、ヤンキー(語源はヤンチャから来ているとか。いわゆる不良)やB(ブレイク・ボーイの略。元はブレイクダンサーの事。転じてギャングの意で通りがち)が取ってくドライバーにニッパ。

 ドライバーを取ってく奴は、捕まえると大体前科がある。スクーターや自販機をそれで開ける訳だ。ニッパも同様。こっちは、CD屋でセーファを壊すのにも使える。

 処が、ある一定の現場でだけ、えらく狙われる物がある。なにか? 繰り小刀だ。

 説明すると、これは刺身包丁様の、細い刃の小刀なんだけど、こんな物を一体どうするのか?

 刺すのだ。


 これが良くなくなる現場ってのは、外国人が多くいる地域。で、これを持ってくのは大体コリアン系のヤンキーだ。

 半島では伝統的に、刺身包丁や繰り小刀のような、錐刀と呼ばれる刃物がヤカラモノの必携アイテムだったらしい。

 アメリカではシースナイフ、イタリアではスティレットと呼ばれるナイフ、そして少し前の日本人がバタフライナイフを持ったように、彼等はコレで武装する。細い刃はあっさりと腹筋に入っていくそうで、一説によるとあの力道山を刺したのもこの手の刃物だと言う。

 私が若い頃は、折りたたみナイフだった。それでよく、いきがった連中と切りあった物だ。私の手には今でもその頃の傷がたくさんある。

 確かに切れ味は鋭いが、刃自体が厚いので、制服の上から切りつけても、おおむね胴体に傷がつくようなことは無い。

 私は、カリと言うバタフライナイフを使う武器術の使い手なので言うが、バタフライナイフもまた人を殺しにくい。刃が厚すぎるし、切れ味も悪い。あれは、喧嘩で相手の手足を傷つけ、痛めつけるための道具だ。

 バタフライナイフで人が死ぬ事件があったが、その事件には、どれも「メッタ刺し」という言葉がついていたはずだ。そう。ナマクラだからこそ、メッタ刺しにする事で被害が出たのだ。

 逆に、本当に鋭い刃で急所を突いたならそんなに刺す必要は無い。規制し、取り締まるべきはバタフライナイフではなく、いかれた人間その物だ。

 むしろ、バタフライナイフが取り締まられた事で、より危険な武器が帯刀する可能性が私には気になる。


 コリアンの若いのを皮切りに、繰り小刀が広まったらどうなる? 武器として造られたバタフライと違って、工具とされているので誰にでも安価に買える。

 お調子者が一回刺しただけで、刃はあっさりと内蔵に達する。


「錐状の刃物で高校生殺人」そんな事件が近々ニュースになる気がして仕方がないのだ。

(※2004年3月20日分より転載)
posted by 久遠 at 17:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | アウトロー通信
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